人身損害に被害者の心因的要因が寄与しているとき

  • 最高裁判所昭和59年(オ)第33号 損害賠償請求事件
  • 昭和63年4月21日第一小法廷判決
  • 民集42巻4号243頁,判例タイムズ667号99頁,判例時報1276号,判例秘書L04310046

身体に対する加害行為と発生した損害との間に相当因果関係がある場合において,その損害がその加害行為のみによって通常発生する程度,範囲を超えるものであって,かつ,その損害の拡大について被害者の心因的要因が寄与しているときは,損害を公平に分担させるという損害賠償法の理念に照らし,裁判所は,損害賠償の額を定めるに当たり,民法722条2項の過失相殺の規定を類推適用して,その損害の拡大に寄与した被害者の右事情を斟酌することができるものと解するのが相当である。

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