不貞の相手方の責任割合

裁判データ

  • 東京地方裁判所平成4年(ワ)第3650号 損害賠償請求事件
  • 平成4年12月10日判決
  • 出典:判例タイムズ870号232頁

判旨

  • YがXの夫であるAと情交関係をもち,その不貞行為を契機としてXとAとの婚姻関係が破綻の危機に瀕し,Xが深刻な苦悩に陥ったことに照らすと,Xがこれによって被った精神的損害については,Yは不法行為責任を負うべきものであるが,婚姻関係の平穏は第一次的には配偶者相互間の守操義務・協力義務によって維持されるべきものであり,不貞あるいは婚姻破綻についての主たる責任は不貞を働いた配偶者にあるというべきであり,不貞の相手方において自己の優越的地位や不貞配偶者の弱点を利用するなど悪質な手段を用いて不貞配偶者の意思決定を拘束したような特別の事情が存在する場合を除き,不貞の相手方の責任は副次的というべきである。
  • Yの損害賠償義務とAの損害賠償義務とは,重なる限度で不真正連帯債務の関係にあり,いずれかがXの損害賠償債権を満足させる給付をすれば,他方は給付を免れ,給付をした者は他方に対して負担割合に応じて求償することができる関係にあると解される。

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