遺留分減殺の意思表示が含まれると認められる場合

裁判データ

  • 最高裁判所平成9年(オ)第685号 遺留分減殺,土地建物所有権確認請求事件
  • 平成10年6月11日第一小法廷判決
  • 出典:民集52巻4号1034頁
  • 評釈:法曹時報53巻1号163頁

判旨

  • 遺産分割と遺留分減殺とは,その要件,効果を異にするから,遺産分割協議の申入れに,当然に,遺留分減殺の意思表示が含まれているということはできない。
  • 被相続人の全財産が相続人の一部の者に遺贈された場合には,遺贈を受けなかった相続人が遺産の配分を求めるには,法律上,遺留分減殺によるほかないから,遺留分減殺請求権を有する相続人が,遺贈の効力を争うことなく,遺産分割協議の申入れをしたときは,特段の事情のない限り,その申入れには遺留分減殺の意思表示が含まれていると解するのが相当である。

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